2.飢餓をゼロに
担当:北尾大河
飢餓とは??
「お腹いっぱいに食べたい!」「もっと美味しい料理を発見してみたい!」
生きている限り誰もがこのような本能を感じたことがあるのではないだろうか。人は食べなくては生きていけない、そして食べるということは生きるということなのだ。
しかし、今現在必要な食糧を確保できていない人がたくさんいる。国連食糧農業機関によると約6人に1人が必要に食べることができていない。世界の食糧22億トン前後がすべて」平等に分配されていれば世界中の人々は十分に食べるだけの食糧があるのになぜだろう?
問題・課題・原因
【飢餓とは】
長期間の間栄養不良、命の危機にさらされ、仕事をしたり学校にいくなどの社会的生活が厳しくなることを飢餓という。具体的に「飢饉」(自然災害や紛争により食糧が不足し餓死したり栄養不良に陥ること)と「慢性的飢餓」(国の政治機能、不十分な教育、環境問題の悪化などの原因によって発生)に分けられます。
〈問題・課題〉
-
8.2億人が飢餓で苦しんでいる、世界の人口における9人に一人の割合で75%は貧しい途上国の人たち
-
アフリカ、南アジアなどでは5億人以上が苦しんでいる
-
アフリカでは4人に1人、低体重の5歳未満児は9000万人以上
-
飢餓により免疫が落ち命を落とす危険性、また出産した赤ちゃんの栄養失調、社会の発展成長、教育や雇用など影響は様々
-
現在の地球人口76億人が2030年に86億人、2050年98億人、そして2100年112億人を超えると予測、2050年飢餓に苦しむ人は世界で約20億人。それに伴い2050年には今の1.7倍の食糧が必要になると予想されている
-
後開発途上国であるブルキナファソという国は最貧国とされ6人に1人の子供が5さいの誕生日を迎える前に亡くなっています。栄養があれば防げた病気も、食糧不足によって12秒に1人の子供が命を落としています。
〈原因〉
(i) 自然災害
-
食糧飢餓で苦しむ人々の8割以上は自然災害が発生しやすい場所(津波、地震、洪水、干ばつ)で農作物、農業、食糧供給に打撃
(ii)紛争
-
4.9億人の紛争地域で暮らしている人も食糧確保が難しく飢餓に苦しんでいる
-
「Hungry is angry」(飢餓は怒りだ)とあるように食糧確保、農地確保のために争いが生じている地域がたくさんある
(iii)途上国における農業技術の低さ
-
農作物が取れずに十分な食糧が確保できない。焼畑農業で大切な森林を失っているところ、交通や貯蔵庫の不整備など
(iv)食品ロス
-
世界の年間穀物生産量公表値は25.34億トン、一人当たり333kg(年間)で食べられる計算、平均穀物摂取量はその2分の1の165kg
〈解決〉
-
食糧を国際社会の協力により飢餓で苦しむ人々に届ける援助
→毎月同じ金額を継続的に寄付するプログラム
-
環境や生態系を守りながら災害に強い食糧生産メソッドをつくる
→不公平な世界貿易システムの改善、生産者、加工業者、輸送、流通業者など様々な人の手を経由するさい何が問題点か確認し改善していく。
達成度
日本ではまだある程度の課題が検討されている様子だ。2030年に向けこの課題を達成するために取り組まなくてはならない
世界的に見てもいまだ解決に向けて大規模な取り組みが必要とされる国が大多数である(特にアフリカと一部アジア)
NPO/団体
飢餓をゼロにするための5つのメソッドに基づいて活動を行っている。
①最も貧しい人を最優先に
→弱い立場の人々の社会保障制度を充実させ、平等な経済成長に向け貧しい暮らしを送っている20億人の購買力を増進させる。新しい雇用、地域活性化を促す
②農家と市場を繋ぐ流通網を整備
→持続可能な市場を開拓するための投資、農村のインフラ整備など
③食糧廃棄・ロスの削減
→先進国では食糧が消費段階で廃棄される一方で、途上国では貯蔵設備の未整備や市場に届けられないため生産段階で無駄になっている
④持続可能多様な作物の推進
→消費カロリーの60%を4種類(コメ、小麦、トウモロコシ、大豆)、農家が現在より多い品種を栽培できるように支援
⑤人生最初の1000日間の栄養改善
→子供の発育阻害を防ぎ、健全な成長を赤ちゃんに促すために栄養価の高い食糧の確保
日本初のフードバンクで食糧製造会社や個人からまだ食べることのできる廃棄されるべきではない食糧を引き取り、児童養護施設、DV被害者のシェルルター、また日常での生活的貧困・低所得で食べることが難しい人たちに食べ物を届ける活動。
ハンガー・フリー・ワールド(HFW)は、飢餓のない世界をつくるために活動する国際協力NGOです。
心も身体も健康に生きていくために必要な食料を自らの手で得られることは、人間のもっとも基本的な権利のひとつ。HFWは、この「食料への権利」の実現をめざし、住民の自立を支援します。HFWは地域開発、アドボカシー、啓発活動、青少年育成の4つの活動を包括的に行うことで、現地の人々が自らの手で栄養ある食べ物を持続して得られるよう、地域の生活全般の向上を支援しています。日本に本部を置き、バングラデシュ、ベナン、ブルキナファソ、ウガンダで活動しています。
企業
スリランカの紅茶農園と取り組む持続可能な農業
-
1年間13億本販売されている午後の紅茶の茶葉はスリランカで作られている
-
「キリンスリランカフレンドシッププロジェクト」をスタートする
-
「レインフォレスト・アライアンス認証」という国際的な認証制度取得支援 (農園で「働く」、自然環境を「守る」、農業経営を「続ける」が持続可能か認証する制度)
-
レインフォレスト・アライアンス(国際NGO)と協力
-
TFTに参加している企業の食堂やメニューを食べると20円→途上国の一食に変わる。売り手よし(事業収益)、買い手よし(低カロリーで健康)、世間よし(子供たちが給食で健康幸せ)
-
小売店で賞味期限がから3分の2経って納品されなかったお菓子を詰め合わせする「SWEETS POCKET」がきっかけ
-
食品ロスを削減することを目的とし、売り手と買い手をつなげるために、農家や漁師さんが取れすぎたものを販売して飲食店が購入するフードシェアリングプラットフォームの流れを構築
-
売り手から最大15%の手数料を国連食糧農業機関(FAO)に寄付
-
ベトナムで企業が栄養バランスの取れた給食をビジネスとして提供するプログラム。ホーチミンから、ダナン、ハノイに地域を広げ約2000校以上への導入を果たしている。
-
食品ロスに新たな価値をという理念のもと、事業者からの食品の売れ残りなどを農家の資料として届けている。エコフィードで育った豚の中には「優とん」「旨香豚」などの名前のブランド豚として販売しており循環型のビジネスモデルを表しています。
フードマイレージって何?