13.気候変動に具体的な対策を
担当:田邉真麻
SDGs13番は「温室効果ガスの排出を原因とする地球温暖化現象が招く世界各地での気候変動やその影響を軽減すること」が目的である。気候変動は先進国、発展途上国を問わず、国境をこえて大きな問題となっている。気候変動の影響があらゆる分野へ及んで行く。また貧困層にとっては深刻な被害をもたらすことになる。
またこの目標13は、「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講 じる」のテーマのもと、5個のターゲットから構成されている。
問題・課題・原因
現状:近年荒天と自然災害は激しさを増し、科学者はこの増加を気候変動と関連づけている。以下の写真のように気候変動の影響は、農業生産、飲料水の確保、生態系保全、エネルギー供給、インフラなどあらゆる分野に及んで行く。
環境的問題:海や陸の温度上昇(地球温暖化が関係している)
干ばつや大洪水が増える→実際にそのような災害が起きている。
チリでは大干ばつのせいで水不足になり手すら洗えない
海面が上昇し島が沈んでしまう→南太平洋に浮かぶ世界で4番目に小さい島国(ツバル)は世界の平均より二倍のペースで海面が上がってきている。そのためこのままだと将来国全体が沈んでしまうかもしれないと言われている。
原因:世界の温室効果ガス排出量の増加→地球の平均気温が産業革命以前の1800年と比べ0.85℃も上昇している。また、人類の活動によって二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素などの温室効果ガスが大量に排出されている。
日本・海外の達成度
日本:気候変動適応法(2018年)→この法律は国や地方公共団体が気候変動を推進するために担う役割の明確化、国立環境研究所での気候変動の影響および適応に関する情報収集などの業務整備などを定めている。具体的な施策として、
美しい森林づくりの推進国民運動の展開
自主行動計画の推進
住宅・建築物の省エネルギー性能の向上
自動車の燃費の改善
中小企業の排出削減対策の推進
農林水産業、上下水道、交通流等の対策
都市緑化、廃棄物、代替フロン等3ガス等の対策
新エネルギー対策の推進
などが挙げられる。
達成度:日本は達成度ランキング17位
しかしSDGs13に関しては日本の中では「最大の課題」である。
世界:パリ協定(2015年)→地球温暖化を防ぐために、二酸化炭素の排出について、2020年以降の各国の取り組みを決めた国際的なルール。世界各国が一緒になって気候変動に取り組むことを約束した。「地球の平均気温上昇を産業革命以前(1850年から1900年まで)に比べ2℃以内に抑え、できたら1.5℃以内に抑える努力をする。そのため、出来るだけ早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と森林などによる吸収量バランスをとる。」ことが目標。
NPO/団体
1
気候変動、生物多様性、循環型社会形成、化学物質など、環境問題に関しての情報共有と、関連会合への参加、政策提言などを行う。
2
エネルギー使用削減、土壌・水源・生物多様性の保全等
気候変動への対策トレーニングの提供
3
環境学習、CSR、社員研修、商品開発、文化振興、販促イベント、地域貢献、地域交流、地域課題解決、地域興し、市民交流
企業
約100ものの企業がこの目標にアプローチしている。その中でも特にトップで貢献している2社の取り組みについて述べる。
1. エコワークス株式会社:住まいを電気代もCO2排出量も少ないゼロエネルギーハウスで建てることを進めている。新築において、ゼロエネルギーハウス(ZEH)やLCCM住宅の普及、リノベーションにおいては断熱改修へ取り組むことで、家庭部門のCO2排出量削減へと繋げ、地球温暖化防止へ貢献している。
2. 第一測工株式会社:この会社は3D レーザースキャナー・マルチコプター・ドローン・クラシック調査まで実施する栃木にある測量設計コンサルタント会社。平成14年からいかにCO2を削減できるかに挑戦してきた。エコドライブの推進・ペーパーレス社内体制の構築・グリーン購買の実施などを通じて現在のところ累計で40701本の杉の木が吸収する二酸化炭素と同じ量を削減することに成功した。
My Voice
調べてみてSDGs13に関するアプローチをしているNPO団体が少ないと思った。しかしそれは他のSDGsの課題に比べ13番はこの問題に関して企業や政府などの力を借りずに自分たち一人一人の行動で少しでも影響を抑えることができるからだと思った。特にボランティア活動や大学のサークル活動でビーチクリーンをしたり街を綺麗にしたりする活動がたくさん行われている。最近コンビニのビニール袋が有料になったりプラスチックストローが紙ストローに変わったりとSDGs13に対する全国的な取り組みが見られるがSDGs達成度ランキング上位の国ではもっと市民の協力する意識の高さが窺われる制度が定められている。使い捨てもしない、エコラベル認証品やリサイクル品など環境負荷の低い製品を選ぶ、公共交通もしくは徒歩、自転車といった手段での移動を選ぶなど私たちができることがまだまだあると思う。一人一人の取り組みで日本のSDGs達成度を「最大課題」から上げていきたいとお思った。
参考文献
外務省公式ホームページ:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/case/goal13.html
gooddo:https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/climate_action_sdgs/
国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所:https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals/goal-13-climate-action.html
サステナブル・ブランドジャパン:https://www.sustainablebrands.jp/news/os/detail/1197191_1531.html