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​4. 質の高い教育をみんなに

​担当:伊藤孝太郎・杉本理沙子

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質の高い教育とは

~なぜ教育が必要なのか?~         https://youtu.be/jVGo83bYhJw

 

  …6つの理由(GEFIGlobal Education First Initiative

1.教育 ⇒ 脱貧困

     …もし低所得国のすべての学生たちが基礎的な読解力を身につけて学校を卒      業できれば、1億7100万人が貧困から抜け出すことができる

 


 

2.教育 ⇒ 栄養状態の改善

  …もし低所得国のすべての母親が中等教育を受けていれば、1,200万人の子ど       もたちが発育阻害から救い出せる

 

3.教育 ⇒ 病気の兆候、症状の認識

     ...もし、すべての女性が中等教育を受けていれば、子どもの死亡は49%減する

 

4.教育 ⇒ 出産における死亡の防止

     ...もし、すべての女性が初等教育を終了していれば、出産に置ける死亡は66%       減少する

 

5.教育 ⇒ 女性/女児の権利

     ...もし、すべての女児が中等教育を受けていれば、児童婚の64%が減少し、早       すぎる妊娠の59%が減少する

 

6.教育 ⇒ 持続可能な経済成長、尊厳のある雇用

     ...もし、すべての女性が初等教育を終了していれば、出産に置ける死亡は66       %減少する

問題・課題・原因

[現在の状況] A.初等教育における地域格差

依然としてサブ・サハラ諸国、アフリカ地域は初等教育における中途退学率が高い

(サブ・サハラ諸国の初等教育修了率:60%前後 ⇔東アジア・大洋州諸国やヨー ロッパ・中央アジア諸国、さらに中南米諸国:90%以上

問題・課題・原因

B.低い中等及び高等教育、就学前教育への アクセス

SDGsの前身であるMDGsにおいて初等教育に関しては一定の成果が挙がっているものの、依然として中等・高等・就学前教育に関しては就学率が低い状態が続いている。

(サブ・サハラ諸国、南アジア諸国、中近東・ 北アフリカ諸国における中等教育及びそ    れ以上の教育への就学率は 50%にも達していない

⇒中等教育以降は有償化になっている国々がほとんど=経済的水準(所得水準)の高い家庭や国家ほど就学率が高くなる。

※経済水準の低 い国々における中等教育就学率は 30%前後、高等教育は数%

⇔経済水準の高い国々における中等教育就学率は 90%以上、高等教育も70%超

C.不十分な成人の識字・計算能力

地域による大きな格差が依然として残っている

(サブ・サハラ諸国では 40%、南アジア諸国では 30%、 中近東・北アフリカ諸国で は20%の人々が文字を読めない)

【世界の抱える教育課題】

〜戦争・紛争地域下では教育を提供する術が限られる〜

↪︎女性が教育を受けられない、経済的な理由で教育を受けられないなどの課題は現地での直接的な活動によって多少解決することができるが、混乱の中で教育を提供するのは物理的にも不可能に近い

 

〜発展途上国が中心となる問題だと思われがちだが、教育の環境が整っている(一見するとそう見える)先進国においても経済的な理由で学校に通えない子供達が存在する〜

↪︎実際日本でも義務教育を受けることができない子供も存在するが、母数に対する数の少なさなどの理由で気付かれない/問題視されないことが多々ある

日本・海外における達成度
​日本・海外における達成度

また、この表からは、日本が目標4において2018年から継続的に緑の矢印

   (On track or maintaining SDG achievement)の評価を得ている。これは、「2030年までの目標達成に向けて順調な割合でスコアが増加している/目標達成値を超えている」ことを意味しており、日本での達成度は順調である。



 

一方、世界では先述のように地域格差が確認されている。

  Sustainable Development Reportにある目標別の進展によれば、オセアニアおよびサブサハラ地域がその他の地域に大きく後れをとっている。この地域格差を是正していくことが、今後の大きな課題となっていくことが予想される。

NPO/​団体
NPO/団体

ACE

 正式名称はAction against Child Exploitation。

 1997年に日本で創設され、児童労働の撤廃と予防が、団体の存在意義とされている。

 主な活動内容は、インドのコットン生産地とガーナのカカオ生産地で、危険な労働から子どもたちを守るためのプロジェクトで、そのほかにも政策提言や日本国内での啓発活動にも積極的に取り組んでいる。
 

Save the Children

 1919年にイギリス人女性グランタイン・ジェブ氏によって設立された国際NGOで、現在は29ヵ国の独立したメンバーが約120ヵ国で子どもの支援活動を展開している。

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは1986年に設立され、保健・栄養・教育・人道支援など、国内外で幅広い活動を展開している。

 具体的な活動内容は、モンゴルの教育環境を整えるサポートや、熊本地震や東日本大震災で被災した地域の子どもたちに給付金を届けるサポート。
 

Care

 女性と女子に焦点をあてた活動をしている国際協力NGO。

 女性と女子に焦点をあてる理由は、教育問題の1つのファクターとなっている貧困をなくすためにはすべての人々が平等な権利や機会を得る必要があると考えているからとのこと。

 教育だけでなく、自立支援、保健、水と衛生、環境、コミュニティ開発など、専門的、長期的、包括的に支援を行っている。
 

日本ユネスコ協会連盟

 

 UNESCOや日本政府と協力・連携をしている日本生まれの独立したNGOである。教育が、人々の心の中に平和のとりでをつくり、貧困の連鎖を断ち切る力になるという想いで活動している。

 具体的な活動の1つに、世界寺子屋活動がある。寺子屋は、海外ではCommunity Learning Centerと呼ばれており、子どもだけでなく教育を受ける機会がなかった大人藻教育を受けられる場として機能している。
 

JICA

 

 日本語名称は独立行政法人日本協力機構。日本の政府開発援助(ODA)を実施する機関で、開発途上国への国際協力を一元的に行っている。プロジェクトは、教育、保健医療、水資源、運輸交通、社会保障、経済政策、資源・エネルギー、栄養改善、スポーツ、防災、ガバナンスなど多岐にわたる。

 教育プロジェクトの代表例に、みんなの学校プロジェクトがある。みんなの学校プロジェクトは、教員・保護者・地域住民が協働して教育を改善する取り組みである。2004年にニジェールの23校から始まった活動は、2017年時点でアフリカ全土で4万校にまで広がっている。
 

Teach For All

 

 Teach For Americaで始まった教育改革のモデルを世界各国で展開するために設立されたグローバルネットネットワークで、2019年には、日本を含め、世界53ヶ国に広がっている。

 具体的なアプローチは、学校に情熱ある教員を送り、子どもたちにリーダーシップを伝え、子どもたちの可能性を最大限引き出すことである。国や地域によっては、貧困が課題の1つになっており、貧困の連鎖を断ち切るための取り組みも行われている。

 日本でも、認定NPO法人Teach For Japanが活動しており、2019年までに66名の教員を公立学校に送り出し、地域に合った課題解決に取り組んでいる。

TABLE FOR TWO International 

「おにぎりアクション」

特設サイトへのおにぎりの写真を投稿することで100円/投稿がアフリカ・アジアの学校給食となり届けられる

 

Learning for All

大学生ボランティアによる無償の「学習支援拠点」を設置し、学習遅滞を抱えた子どもたちをサポート

 

ブリッジフォースマイル

児童養護施設で育った子どもたちを対象に、インターンシップや就業支援、一人暮らしのためのセミナーを実施

企業
​企業

パナソニック株式会社

 

SDGs達成貢献のために「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を行っている。

カンボジアで活動するNPOやNGOなどにソーラーランタンを寄贈したことで農村部でランタンを使った夜の識字教室が開かれ、識字率の向上につながったことなどが例としてあげられる。
 

朝日新聞社

 

新聞を活用した「SDGs出前授業」を提案実施している。

最大の特徴は「SDGs付箋」を使った「思考の見える化」とすぐに取り組める「簡単な手法」である。

SDGsの発想、今自分は何をすべきかと考える「バックキャスティング」という考え方に必要な、教科書には収まりきれない、新しい知識や思考を養成することを目的としている。

株式会社kanatta 

ドローンを使った新しい教育(プログラミング体験WS)

ワークスマイルラボ

子供と一緒に過ごす時間を増やす環境づくり

↪︎テレワークの推奨

 

名古屋銀行

教育ローンの提供

チャリティイベントの開催

・地域格差を是正していくための具体的な方策は何か
Research question

【世界の教育における地域格差の原因】

   ①紛争・戦争

    …こどもが戦争の道具として戦争に駆り出される事例 ex.)アフリカでの内乱

   ②貧困

    ...学校に通わせることで子供という労働力を手放したくない。

    →「学費が無料であっても、学校に通う時間があったら労働させる・する」という考え方

     ※発展途上国だけでなく、日本も例外でない。(特に母子家庭の貧困)

      (ひとり親世帯の貧困率:デンマーク6.8%、日本58.7%)

   ③親による教育否定

    ...両親に教育を受けていないため、保護者が教育の重要性や必要性を理解しておらず、教育を通してこどもの未来に投資するという考えがわかっていない。

   ④学校施設・教員の不足

    ...教育を受けさせる施設の建築や教育に携わる人材の確保、インフラの完備といったことが行われず、教育環境そのものが構築できない。

 

 

【解決策】

①水・衛生環境の改善

   ...こどもは農業などの第一次産業における働き手であるため、学校に通わせる時間的余裕を持たない。

    →効率的な農作業を可能にする環境整備を行う。

     例:井戸やポンプの設置(川と家を往復して水を運ぶ手間がなくなる)

       農耕機械の導入(開墾が容易になる)

    ⇒教育機会の創出のきっかけとなる。

②学費の廃止・給食の導入

    ...「学校に行く時間があれば、子どもにも働いてもらわなければ生きていけない」という状況も珍しくない現状。

    →無償で学校へ通えて給食が支給される制度を作ることで、子どもの食費が浮くというメリットが生まれる。

    ⇒学校に通う機会を増やすことができる。

他の目標との連携をどの程度までとっていけばよいのか

教育と経済状況における正の相関は明確である。

  ...貧困な家庭は教育機会が減少し、富裕層はよりよい教育環境をこどもに提供できる。

  ⇒目標1『貧困をなくそう』との連携は必須! 

    ...「教育へのアクセス不足」という一面をもった問題である。

また、教育におけるジェンダー格差を是正するという意味において目標5『ジェンダー平等を実現しよう』にも関連する。

グローバル人材育成の為に、世界各国ではどのような方針がとられているのか

~なぜグローバル人材の育成が必要か~

 現代はインターネットの普及により、世界がより身近なものへと変化してきた。

+SDGsの目標は、国際協調なくしては成立しないものばかりである。

⇒世界と協調するために、英語などの言語能力・異文化理解といった能力を兼ね備えたグロー バル人材の育成は必要!!   

【各国の取り組み】  

  ①日本

    ...小学校:英語教育の必修化(新学習指導要領)、世界への理解を深める活動

     中高:SGH(スーパーグローバルハイスクール)、4技能型英語の育成

     大学:SGU(スーパーグローバル大学)

  ②アメリカ

    ...初等教育:同心円的拡大論を用いた初等教育

         ⇒身近な地域から世界へと視点を同心円状に広げていくこと。

     大学:異なる国にルーツを持つアメリカ人学生の為に、自分のルーツについて学ぶ      ことのできる授業を多く導入(UCB)

        国際問題を解決するための基金設立(スタンフォード)

  ③イギリス 

    …「市民科」における多様性への理解、国際的なボランティア 機関による活動について     の学習、グローバルコミュニティとしての世界とその課題についての考察

​My Voice

(伊藤)

教育に関する問題ではあるが、この問題は必ずしもひとくくりにできるものではない、と考えている。上述のように、この問題の解決が地域によっては停滞していることの要因として挙げられるのが、貧困およびその結果としておこる児童労働である。貧困・児童労働が教育機会の減少を生み出し、教育を十分に享受していないことが原因となって貧困、次の世代のい児童労働の問題が再創出されていく、という負のスパイラルから脱却することが急務となっている。そのため、学校施設などのインフラ整備と並行して、整備した施設に子供が通えるような社会・コミュニティの仕組みを整備していくことで経済状況を改善していかなければ、この問題は根本的に解決することはないと考える。そのためには、NGOや企業といった民間、個人レベルの活動に加え、経済活動を活性化させるという大きな目標を達成するために国家的な取り組みが欠かせないものとなると考えている。国家に問題への積極的なアプローチを促すことも国民のとるべき行動の一つである、と考える。

​(杉本)

私はこのテーマについて調べる中で、本当に終わりのない難しい課題だと実感しました。なぜならいくら教育体制を整えてもそれを受けることのできない人たちが生まれてしまうことや、教育の質の維持の難しさはどれだけ努力しようとも乗り越えることができない一種の不可抗力を感じたからです。しかしすべての人が生きる上で礎となる教育をより広く普及させるためにまだまだできることがあると言うことを知り(インターネットの活用など)もっと知識を得て理解を深めたいと思いました。

My Voice
参考文献
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