15.陸の豊かさを守ろう
担当:片平菜々子、北村佳奈美
◆目的
・陸の生態系の保護、回復
・陸の生態系を持続可能な方法で利用する
・持続可能な森林の経営、砂漠化への対処
・土地の劣化の阻止、回復
・生物多様性の損失を阻止する
◆内容
上記にある目標のため、具体的に記された15.1~9,a~cの計12個のターゲットで構成されている。
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(出典:外務省「JAPAN SDGs Action Platform」)
下記に分類分けしたものを簡単に示す。
ターゲット15.1と15.4で森林・湿地・山地などにおける生態系の保全、15.2と15.3で劣化した森林・土地の回復に焦点が当てられている。15.5から15.8で絶滅危惧種の保護・密漁の撲滅・外来種侵入の防止など生物多様性確保のための取組みが掲げられている。さらに15.9では、これらすべてに対する取組みを、国・地方自治体の計画策定に組み込むことを求めており、15.a から15.cで、こうしたターゲットを実現可能なものとするため必要となる資金の確保や地域コミュニティの能力強化の必要性が示されている。
問題・課題・原因
◆問題・課題
耕作地の損失は歴史上のペースと比べ、現在30倍から35倍で進んでいる。また地球上で確認されている8300の動物種のうち8パーセントは絶滅し、22パーセントが絶滅の危険にさらされている。SDGs達成のために取り組むべき課題について4つの項目ごとに以下にまとめる。
〇砂漠化
毎年240億トンの土壌が浸食によって失われ1,200万ヘクタールの土地が干ばつによって劣化し、砂漠化しているといわれている。これは、一分間に23ヘクタール(東京ドームおよそ5個分)の土壌が失われることに値する。砂漠化が進行すると、食糧安全保障の欠如、飢餓、貧困などを生じさせる原因となるが、すでにこうした現象は起こっている。
〇土壌劣化
現在の陸地表面の劣化は、少なくとも32億人の人々の福利に悪影響を及ぼしており、地球を6回目の大量絶滅に追い込むとともに、生物多様性および生態系サービスの消失により世界の年間総生産の10%以上の価値に相当する損失を引き起こすとも言われている。
〇森林破壊
南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林を中心に減少面積が大きくなっている一方で、中国やインド、ベトナムを中心とした温帯林では、森林面積が増加している国も見られる。
これは、森林資源が少ない国が森林資源の豊かな国を搾取している構造になっていると言える。森林の減少は、地域的な降雨量が減少し、農業生産が低下することに繋がったり、炭素排出量の増加や生物多様性の大規模な損失も懸念されている。
〇陸上生態系の崩壊・生物多様性の損失
私たちの生活や経済活動により生態系の機能が崩壊し、生物多様性の損失が進んでいることが懸念されている。このまま生物多様性の損失が継続すると、将来の私たちの暮らしにも影響を及ぼしかねない。
すでに様々な取り組みが行われているが、生物の多様性に関する条約を実施するための取り組みが、生物多様性の損失に対応できる十分な規模ではない。
こうした状況を改善するためには、年間700億~1600億ドルが必要であるとされている。
日本円でいうとおよそ7.4兆~17兆円である。
「生物多様性条約」では、今世紀半ばまでに世界レベルで生物多様性の損失を食い止めるには、年間1500億~4400億ドルが必要と見込んでおり、これほど陸の豊かさが脅かされる所まできてしまっている。
◆原因
人間の暮らしが豊かになるにつれて、生物多様性を守る自然が破壊された。森が失われ、多くの生き物が絶滅の危機に瀕している。
森がなくなる具体例としては、砂漠化や酸性雨などの気候変動の影響や森の生態系を無視した無計画な森林の伐採、人口増加による都市化が進んだことがあげられる。
また、日本では畑や田んぼが広がる里山が、過疎化や高齢化によって人の手入れがなくなり荒れてしまっている。
[陸の生物が絶滅に瀕する問題]
森林の開発:
人間が生息地の拡大やレジャーの開発によるもの。開発を行うことは、森林伐採によって多くの生物の住む場所が失われる。環境の変化に適応できなくなって死んでしまう生物がいる。
土地や水質の汚染:
多くの生物の死や弱ってしまうなどの被害がある。
生物の製品化:
生物の中には製品の材料にされるものがいる。ペットや剥製、園芸、毛皮製品や漢方などに使われ、高額で売買されるのともある。トラやゾウなどが該当する。
日本でも乱獲や密猟などにより個体数が失なわれている生物もいる。
外来種の持ち込み:
本来存在しない生物がペットとして持ち込まれ、飼育の難しさから捨てられたり、逃げ出されたりしてその土地で定着し、地域の固有種や在来種に壊滅的な被害をもたらすことがある。
地球温暖化:
地球温暖化による気温の上昇は、動植物の生息地を変化させ、気候変動による豪雨わ二次災害となる洪水、土砂崩れも山や川に生きる動植物の生息域を奪う。また、異常少雨や干ばつによって植物は枯れ、動物は衰弱し、死に至ることがある。
日本・海外の達成度
これは目標別の達成度を表すもので、緑は目標達成、黄は課題が残っている、オレンジは重要な課題が残っている、赤は主要な課題が残っている、を意味する。画像のものは2020年の日本のものである。
15の「陸の豊かさも守ろう」は2018,19年はオレンジだったが2020年で赤に戻る、と決して日本の達成度は良くないと言える。環境省が2019年発表したレッドリストによると、日本で絶滅危惧種とされた生物は合計で3,732種とされている。このように、「レッドリスト」と「輸入に伴う地上・淡水の生物多様性への脅威」の項目において、日本は特に主要な課題が残っていると考えられている。
しかし、進捗度合いとしては2030年までに目標達成するための必要なペースは下回っているが適度に改善されており、取り組み状況は悪くないと判断されている。
166ヶ国のうち、すでに目標達成しているのは9ヶ国で、世界全体で見ても「陸の豊かさも守ろう」に関する取り組みは停滞・後退している。陸上と淡水の生物多様性の喪失が加速していて、多くの国において取り組みが後退している理由の一つが、持続不可能なサプライチェーンによる生物多様性や森林の破壊だ。
NPO/団体
河川敷の様々な場所で、参加した様々な人とごみを拾い、河川ごみや水質、自然回復などの問題を考え豊かな自然を取り戻そうと活動している。
目標15に関して言うと、生態系の保全、回復及び持続可能な利用を確保することに注力している。
特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO International
東アフリカへの学校給食プログラムと菜園・農業生産性向上プログラムの支援を行っている団体。
給食の調理に薪を使う代わりに、おがくずなどのごみを再利用して作った固形燃料を使用し、森林の伐採を防いでいる。農業支援では自生種や固有種の栽培を推奨している。
SDGsを知ってほしいという想いから「ひとこと多い張り紙」をつくっている。目標15のメッセージは、「世界の森林を守るために、無断投函お断り」。
企業
水と木の資源を守る、新素材LIMEXを使ったサービスを提供している。「LIMEX」は石灰石から生まれた紙とプラスチックの代替品となる日本初の新素材。原料に水や木を一切使用することなく紙代替品を製造する。
・引越しの際の梱包に紙資材を使わずそのまま入れられるエコ楽ボックスや、使用済みのダンボールを回収し再利用するなど、ゴミゼロを目指している。
・社員にエコバッグを配布し、資源ごみ削減を推進している。
・二酸化炭素、窒素酸化物、粒子状物質の排出量を減少させる環境性能に優れたグリーンディーゼル車の導入を進めている。
住宅を国産材で建てて、国土を守る活動へつなげていくことに取り組んでいる。
・環境に配慮した、植物由来の原料を使用したポリ乳酸不織布の製造。
・回収されたペットボトルをリサイクルした不織布の製造。
・湿地化及び植林を通じ、インドネシアに現存する最大の資源泥炭森林の一つを保全・回復する。
・本プロジェクトで、禁絶滅種5種、絶滅危惧種8種、危急種31種といった他に例を見ない豊かな生物多様性を支えている。
(上記の生物種の内、少なくともオランウータン、テングザル、ミューラーテナガザルの3種について、プロジェクト対象地域に地球全体の個体数の5%が生息すると推定されている。)
・当社で製造する封筒に間伐材を活用した紙を使うことによって、間伐材由来のパルプの使用量を増やし、産地が明確な国内パルプの利用促進につなげる。
・梱包材などのプラスチック利用を低減するなどして廃棄物の削減とリサイクルを推進する。
・有害性が懸念される化学物質を使用している部材の利用を取り止める。
・森林の間伐、植林などを通じた生物多様性の保全に寄与する活動へ太陽光発電による利益の10%を投資する。
ペーパーレス社会の推奨
・山・工場(加工)・販売店に至るまで、森林認証(SGEC)を取得。サプライチェーンで緑の循環、また地産地消の住まいづくりに取り組んでいる。
・木の住まいをつくる企業の責務として、違法伐採から森を守るべく、クリーンウッド法に基づく登録事業者として住まいづくりに取り組む。
定期的に、地元住民と共同で、不法投棄に対してクリーンアップ作戦を実施。
印刷から納品に至るまで、独自の「エコライン」発想のもと環境負荷提言を推進している。
・施設の省エネルギー化
・環境保護団体への寄付
・ESG投資活動
・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同表明
・地域イベントへの参加、清掃活動やスポーツイベントボランティア等地域の一員としての取り組み。また従業員が地域貢献活動・環境保全活動に取り組めるようボランティア休暇制度を整備。
・使用済み用紙リサイクルや環境配慮型行用車(EV、PHV、バイオディーゼル燃料車、電動バイク)導入。
・高速道路の工事現場の近隣で、営巣・繁殖している希少猛禽類(クマタカ)について、巣内観察カメラを設置して、インターネット回線を用いたリアルタイムで常時モニタリングを実施。工事による反応を観察しつつ、鳥類の生息に影響がないように工事を進めることができた。
・動物の移動のために造成された国内最大規模の道路横断施設(オーバーブリッジ)について、利用状況を確認するため、捕獲した動物(タヌキ)にGPS発信機を装着し行動圏を把握した。
・風力発電事業では、風車に鳥が衝突するバードストライクが重要な課題となる。環境アセスメントでは、バードストライクの予測評価に必要な鳥類の飛翔位置を、レーダーを利用して把握している。
・養殖された昆虫を使用するが、昆虫は少ない飼料(牛の約1/4)で育つ。水も殆ど不要で少ない土地で養殖が可能。
・昆虫食の生産量が増えることで、環境負荷低減に貢献する。
・昆虫食の講演やワークショップを通じて、SDGsや生物多様性、循環型社会の啓蒙活動も行っている。
・日本各地の生産者を訪れ、野菜が育つ現場を見て、話しを 聞いて、信頼できる良質な素材を使い、コールドプレス製法で搾ってジュースにしている。「どこで」「どのように」作られた素材かを理解し、素材を見極めている。
・サンシャインジュースでは、コールドプレスジュースの製造過程で分離されて残るジュー スパルプ(搾りかす)を有効活用する取り組みを続けている。
・サンシャインジュースでは、見た目だけが理由で売りにくい素材を積極的に集めている。
木曽川流域の水源涵養林において維持管理作業のボランティア活動を続けてる。
環境負荷の低いLNGの需要増を捉えた事業領域の拡大
・地産地消の住まいづくりで自然を守る。
・厳選素材にこだわり、緑の循環を実現。
・脱炭素社会の実現に向け、高い環境目標にチャレンジし続ける。
・地産地消の住まいづくりで自然を守る。
・地域と連携して子供たちに木の良さや、大切さを理解してもらい、日本の山林を守る意識を持っていただけるよう活動する。
・ウガンダ共和国における豊かな陸地環境の維持及び生物多様性維持に貢献。
・里山の間伐材を利用したバイオマスエネルギー化による資源の循環利用システムによって、大阪・泉州の特産品であるタオルを製造していく環境を実現し、地域の山林環境の資源維持や生物多様性の維持に貢献していく取り組みを継続的に実施していく。
・災害時対応型太陽光LED照明外灯の製造販売。
・省エネシステム・ITを駆使してコスト削減をしながら、環境コストの無駄を現場が気づく仕組み・体制づくりとコスト意識を持った人材育成のノウハウを提供している。
・使用車両から排出される排気ガスは、環境保護をするために抑制しなければならない。当社では年間目標を掲げ、その目標を達成するための社員への呼びかけや関連する教育・研修を行っている。
・事業活動であるエコテクノ事業・リサイクル事業(産廃事業)・清掃メンテナンス事業により、最先方の汚染の予防や環境保全をすることが使命と考え、事業活動を継続的に改善し、持続可能な環境保全に努めている。
開発・生産活動の環境への影響を的確にとらえ、継続的改善と環境汚染予防を図る。
損害損保ジャパン日本興亜株式会社
お客様に、リサイクル部品などを活用いただいた場合に、削減できたコストの一部を原資に、NPO などとの協働を通じて、市民の皆さまに身近な自然環境に関心を持っていただく機会を提供する取組みを行っている。
新築時、敷地の17%以上を緑化や生物多様性のエリアとして維持する。
国産木材の活用促進
海洋汚染や森林荒廃の原因とそのメカニズムを解析し、改善に向けたインフラ整備や、森林・生物多様性保全・保護活動の手法の改善および適正化により、環境と調和した開発や豊かな自然を再生するための取り組みを行っている。
・緑地整備による地域コミュニティの再生
・無通帳型総合口座の口座数に応じた環境保全団体への寄附の実施
・「ご契約のしおり・約款」のWeb版の提供に伴う寄附の実施
・電力デマンドによって、使用電力が目標値を超えた場合には音でお知らせがされる。電力の使用状況を全従業員で共有できるので、こまめに消灯をするなど従業員の省エネ意識向上に役立っている。
・冷房設定温度を抑えて節電をするため、ノーネクタイ、ノー上着など、服装での調整を推奨している。
・裏紙を活用したり、無駄なプリントアウトの削減に努めている。また、毎年1月に実施する全社セミナーでは、2019年より印刷資料の配布を止め、データファイルの送信に変更。
ひだまりほーむ(株式会社鷲見製材)
・国産材100%使用
・地産地消の、環境にやさしい家づくり
・環境問題を地域ぐるみで考えるために、地域や社員の子供からお年寄りまで、集まって森の整備を行い、環境教育やまちづくりを行っている。
・エネルギーをただ使うだけではなく、バイオディーゼル燃料やハイブリッドなどの低公害車の導入、営業所や倉庫照明のLED化、太陽光発電パネルの設置、グリーン経営の認証といった環境を常に考えて事業を展開している。
カンボジアの荒地に植林する「森の叡智プロジェクト」は、植えた植物の葉や実や種が全てコスメの原料になる。必要な植物の種を持ち込んだり、一種類をプランテーションのように育てるのではなく、自然のままの生態系を守る森づくりにこだわった。この森づくりは、森林減少を抑制することにも繋がる。
積極的に福島県産材をはじめとする国産木材を活用し、住宅を提供する。それにより、森林の持続可能な経営を後押しし、地域経済の活性化につなげる。
有限会社谷治新太郎商店
ペーパーレス化への取り組み
・環境に優しいセルロースファイバー断熱材の標準採用、林産地との連携やエコタウンの開発、植林活動、カーボンオフセットへの取組など、家づくりで快適な暮らしと環境保全を両立させる取り組みを実践。
・「森林体験ツアー」で林産地を訪れ森に入り自然に触れることで、山と町の繋がり、森を守る意義を学び、自然を愛する気持ちを育てる。
・OMソーラーは、株式会社OMソーラーが開発・販売する、パッシブソーラーシステム。建築地の気候風土を設計に活かし、太陽や風など自然の恵みを暮らしに取り入れ、省エネ・省CO2の生活を実現する。
・安成工務店の家の断熱材には、新聞紙をリサイクルした「セルロースファイバー」と呼ばれる素材を使用。
エチオピアでの森林保全プロジェクト
・森林資源の循環利用。
・「森の地産地消」で自然を守る。
・植樹祭ツアーを通して自然の大切さを伝える。
・間伐材を使用した家造り。
・リサイクルしやすい無垢材の使用。
レジ袋有料化で環境問題は解決できるのか
7月1日から日本ではレジ袋有料化が始まった。レジ袋を有料化、撤廃など規制をしているのはすでに60ヶ国以上で見られる。日本は遅れていると考えてもいいくらいだ。
プラスチックが環境に悪い影響を与えるというのは誰もが1度は耳にしているように思う。主に廃棄されたものを燃やす際に出るCO2が地球温暖化に繋がることや環境汚染が語られる。しかし一番のレジ袋有料化の目的としては野生動物のレジ袋誤飲をなくすことだ。カメがクラゲと見間違え海に流れたレジ袋を誤飲するというニュースを、私は何度も見た。胃にプラスチックごみが溜まり、満腹になったと思い込んで食欲を失っていくといわれている。その結果、消化管が完全にふさがり栄養不足で衰弱し、餌を探せなくなって死に至るのだ。これは海中生物だけに言えることではなく、陸地の生き物も同様だ。気軽にもらうことのできるレジ袋は街で捨てられているのが多く見られる。それが野生動物の住む森に風によって運ばれたり、公園などで置いていかれた袋を動物が食べてしまい胃に溜まり続けるということが、ありえないと言いたくなるほど頻繁に見られる。特に誤飲しやすいであろうレジ袋を有料化によってなくすことができれば、普通失われるはずのない命を当たり前のように救うことが可能になる。
ところで、レジ袋の突然とも言える有料化は国民にとっては大きな変化であると思う。この急なことに違和感を持ち、なぜレジ袋は良くないのか、何に影響するのか、調べ、動物への影響を初めて目にする。そうすることで、これからの環境や野生動物、プラスチックゴミなどに対する意識が変わるだろう。これきっかけに私たちの環境への興味が上がればなお良い策だと思えるだろう。
日本のゴミの埋立地(最終処分場)はあと20年で満杯になると言われている。現在の日本では、年間5500万トンの家庭ごみが出され、400万トンの産業廃棄物が捨てられている。日本だけで1日1.8億kg、普段食べているコンビニ弁当、ペットボトルなど家庭ごみだけでも1日1kg出しているのだ。日本は焼却炉の数が世界1位であるが、国土が小さいことから、ゴミを燃やして最小限の大きさにしてから埋め立てている。しかし、それでも毎日大量のゴミが出ている日本では、ゴミ処理場が飽和しないようにするために、リサイクルできるゴミを資源ごみとして主にアジアの海外へ輸出していた。ところが最近、海外でゴミの輸入が厳しい規制措置がとられて日本のゴミは行き場をなくしている。
そうなると、不法投棄の増加が予想される。ここで先ほど環境負荷が小さいと言ったものの土壌や地下水などが汚染され、自然環境に悪影響を及ぼしていくのだ。
だからこそ、私たち市民が簡単に街に捨てやすかったり、プラスチックゴミとしての量が増えやすいレジ袋を削減するということは、環境が回復するキーになっていくと考えないわけにはいかない。
人間と動植物の共存、環境と経済の調和は果たされるのか。
上記を達成するためには、8つの解決策がある。
1つ目は生活にエコを取り入れることだ。土に大量に排出・廃棄していったことで地球は大きなダメージを受けて環境破壊が起きる。自然をよみがえらせ、人間と動植物の共存のためには環境権という考えがある。先進国内で発生した有害な廃棄物を途上国の人々に押し付けるといった越境移動はルールに従うべきだ。一方で、途上国の自然破壊と公害問題を防ぐためには先進国と途上国が協力し人類と自然環境に有益な場をつくることが大事である。
2つ目は消費生活から創造的生活への移行である。
日常生活のちょっとしたことを見直すだけでも無駄をなくし環境に与える負荷を減らすことができる。地球上の自然生態系は全ての生物がそれぞれ影響しあい、絶妙な加減でバランスが取れている。人間の活動により生物の種類が減少してその多様性が損なわれると、人類の生存基盤すら脅かすようになってしまう。持続可能な社会とは自然生態系が健全であり続け、将来もその恩恵が続く世界のことである。しかし人の健康や生命、農林水産業に悪影響を与える外来生物を国に入れることは法律で規制されているのにもかかわらず、長い時間をかけて築き上げた生態系に外来生物が入り込み、元々の生態系のバランスが一気に崩れてしまうことがある。その原因として、農業やペット、研究用として使っていた外来生物が野外に放り出されたり捨てられたりしたことがきっかけである。生物のバランスこそが大事で難しい問題である。
3つ目は、自然と共生するために知恵と工夫をふることだ。私たちに求められていることは、ITなどの科学技術の恩恵を受けながら21世紀の自然と溶け合った無理のないライフスタイルを送ることだ。自然から学び、自然を受容ふる伝統的な日本の暮らし方に学びつつ、それを現代流にアレンジした生活を送ることで果たされるのではないか。例えば脚光を浴びている自動車もそのひとつだ。一昔前は移動手段としての位置付けが強かったが、現在では「自然と親しむライフスタイルを確立する」ことに重点を置いている。それでいて自動車のように二酸化炭素を発生することをなく、「エコサイクル・マイレージ」という数値によって走行距離を表すことで健康増進にも効果的である。自動車活用は環境の楽しい取り組みであり、さらに生活の質を高める道具でもあるため、環境と慣れ親しむ有効な手段である。
4つ目は、将来の世代へ自然を残しておくということである。まずは、物質やエネルギーの使用・発生を抑制して産業による排出を最小化することである。そのためモノの再使用や再生使用を増やしていき、単なる廃棄物処理やリサイクルのみの対策から抜け出すことも重要である。それはすなわち製品の設計・生産の時点から見直すことである。日本では、経済的発展と豊かな生活様式の実現のために、原材料を輸入し、工業製品を生産・消費・輸出して、その後に残る廃棄物の処理に困るといった一方向の流れが多いため、このままでは資源が枯渇してしまう。それゆえに、持続可能の循環型社会を築くべきである。
5つ目は、都市部での人と環境の共存である。都市部では、騒音・振動・悪臭は狭い土地の中に住宅地や工場・事業場、商業施設などが密集しており、また都市部だからこそ大掛かりな建設作業においても都市生活型公害の典型である。これらに対処するためには、法規制や基準の適用・強化と共に防音設置や脱臭装置など技術的な面でカバーすることも大事である。また、人が作ってきた物が原因のケースが多いため、それを一歩環境に譲ることも欠かせない。こういった環境に配慮した「まちづくり」には、私たちの価値観やライフスタイルを環境に配慮する方向に転換することが求められる。
地域ごとに取り組める解決とは?
・身近な自然の保全と育成:住宅や道路の緑化活動、身近な緑地や水辺地の保全
・資源回収・再使用活動の推進:資源ゴミの回収活動、フリーマーケットの開催
・雪に強い都市づくりの推進:除排雪の効率化
・環境教育・学習活動の推進:学校と地域の連携、自然観察会の開催
・公共の場におけるマナーの遵守:ゴミの投げ捨て、ペットの扱いのマナーを守る
[市民・企業・行政の協働による計画推進体制]
・市民や企業の環境保全・創造活動の推進(例:省エネやゴミの減量)
・環境保全の寄与する産業や技術の振興(例:再使用容器への転換)
・環境教育・学習活動の推進 (例:学校と地域の連携)
↓
[環境保全・創造のための都市作り施策]
・エネルギーを有効に使う都市の実現
・廃棄物の少ない都市の実現
・豊かな自然環境に包まれた都市の実現
↓
[地球環境保全の実現]
・地球温暖化の防止
・森林資源の保全と育成
・酸性雨の防止
・オゾン層の保護
世界規模の問題であるにも関わらず、身近でなく認識の低いこの問題を広める為の方法は何か
森林破壊、レッドリストくらいは聞いたことがあるかもしれない。またSDGsという言葉もここ最近で徐々に浸透しつつあるかもしれない。しかし、少し踏み入った質問をするときっとほとんどの人は答えられないだろう。大きくまとめると環境問題、についての認識の甘さが顕著に現れる。しかしこれらの問題については、私たちが知ってると知らないでは大違いだと思う。豊かな日常生活が知らないうちに負担をかけているからだ。なぜ私たちの生活までをも脅かす事態なのに世間の認識は低いのか。私が思うに、内容が難しい、調べても訳が分からず面倒、私の生活には関係がない、という理由によるものが多い。でも、SDGsを例とすると課題が簡潔にまとめられ興味を惹きやすい。調べてみれば、環境にやさしい商品を開発している企業も多くある。これらを1人でも多くの人に知ってもらうためには、キャッチーな宣伝で人の目に触れることが重要に感じる。問題自体について考えてもらうには、「陸の豊かさも守ろう」なら、動物の絶滅に問題の重さを感じる人、森林や土地の崩壊で生活に支障が出る人々を救いたいと思う人、自分たちの将来の生活にいずれ訪れる問題をなくしたいと思う人、この問題は特に気になると思うのは様々ゆえ、多方面からのアプローチが必要になってくる。
そして問題に向き合う人が増えるように入口へ誘うための手段としては、電車の広告やCMと身近に感じられるものを発信の材料として使用する。また若者が手軽に情報を受け取ることのできるSNSの利用は効果的だ。そこでどれだけ人々の心に印象強く残り響くか、これも重要だ。
My Voice
森林破壊、絶滅危惧種という言葉は多くの人が知っているだろう。そして大まかな原因や改善しなくてはならないということも。
私も授業で聞いたことがあるし、テレビで目にしたこともある。しかし、では具体的な数字を調べてみようと現実に向き合ったことはなかった。今回チャンスを与えてもらって、細かい数字を見た時驚くと同時に、私たちの問題なのだと改めて痛感した。また、陸の豊かさ=森林、野生動物が豊かになること。という私が考えていたような漠然としたものではなく、着実な目標達成のためにも12のターゲットで構成されている点にも驚いた。
私は動物が好きで、絶滅危惧種や絶滅種を減らしたいという思いで、このテーマを調べた。しかし、その数を減らすためにはまず改善しなくてはならない問題(住処である森林破壊の問題等)が多く見られた。長期戦になってしまう、と思ったがそれと共に私たちが身近なところで問題解決に向けて出来ることがあるのだ、とも思わされた。それまで大きな目標すぎて、正直こんな微力な力では現状を変えることは出来ないと決めつけていたが、私たち個人の課題が新たな発見できたように思う。
国家、政府、企業の取り組みももちろん大切だと思う。しかし、この目標達成のためには私たちのこれからの行動にかかっている。森林伐採を少しでもしなくてよくなるよう、3Rリデュースリユースリサイクルや、必要なものだけを計画的に買うことも効果的だ。また、環境保全・動物保護を行っている団体への寄付やボランティア活動で参加すること、環境に優しい商品を積極的に選択することもSDGs達成のための重要な役割となる。中でも私が1番推奨したいことは、SDGs陸の豊かさも守ろう、この現状を1人でも多くの人が知ること。これが解決に向けた一番の近道であると思う。私自身状況をもっと知りたいと思うし知らなければならないと思う。そして、自分なりの考えを深め自らの行いに表していきたいと思う。
参考文献
・外務省「JAPAN SDGs Action Platform」
〈https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html〉
・gooddo「陸の豊かさも守ろう」
〈https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/life_on_land_sdgs/〉
・EduTownSDGs「SDGs目標15.陸の豊かさも守ろう」
〈https://sdgs.edutown.jp/info/goals/goals-15.html〉
・国際開発センター「陸の豊かさも守ろう」
〈https://idcj.jp/sdgs/img/IDCJ_SDGs_HANDBOOK_GOAL15.pdf〉
・環境省「世界の森林の現状」
〈https://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1_2.html〉
・環境省自然環境局「生物多様性センター」
・Cambridge University「Sustainable Development Report 2020」
〈https://s3.amazonaws.com/sustainabledevelopment.report/2020/2020_sustainable_development_report.pdf〉
・SDGsmedia「2020年日本のSDGs達成度は17位|日本政府の取り組みを解説」
〈https://sdgs.media/blog/4130/〉
・サステナブル・ブランド ジャパン「世界のSDGs達成度ランキング、日本は17位 格差是正の取り組み後退2020.07.01」
〈https://www.sustainablebrands.jp/sp/news/os/detail/1197191_2137.html〉
・「22世紀を生きる君へ~未来を生きる子供に問題を残さないために~」
〈https://22nd-century.jp/environment-issues/shopping-bag-abolition-charged/〉
・電気プラン乗換.com「考えよう地球環境問題!広めようSDGs!」
〈https://price-energy.com/column/1373〉
・「私たちを取りまく地球環境について」
〈global-environment-us.biz〉
・各地方自治体の環境保全対策について
〈http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/chi00/kawamurak/kawamurak.html〉
・https://gooddo.jp/magazine/land_biodiversity/desertification/7072/
・https://www.google.co.jp/amp/s/sustainablejapan.jp/2015/06/22/amazon-deforestation/16632%3famp